HealthKitの新機能

Session概要

HealthKitは当事者および第三者の健康およびフィットネスデータを統合するために欠かせないフレームワークであり、ユーザが個人の医療情報を管理するのに役立ちます。
最新のHealthKitはApple Watchの心電図データにアクセスできるようになり、これまでになかった多数の症状とその重症度に関するログと追跡が可能となります。
また、長期的にユーザが自身のモビリティをモニターし、理解するのに役立つ、歩く速さや歩幅などの最新のモビリティデータについても取り上げます https://developer.apple.com/videos/play/wwdc2020/10182/

症状を追跡する機能

  • 症状を追跡することは、健康データを監視する上で重要
    • 息切れ、睡眠、食欲の変化、鼻水が出ている など
    • 30の症状データ型を導入
  • 開発者は症状データに基づき、バーチャルヘルスケア体験を構築できるようになった

ECG(Electrocardiogram)アプリの導入

  • Electrocardiogram とは心電図のこと
    • 心拍を構成する電気パルスを記録する検査
    • ECGを見ることで、医師はあなたの心臓のリズムについて重要な洞察を得ることができる
    • また、そのリズムに不規則性を探すことができる
  • Apple Watch に導入
  • Digital Crown(Apple Watch本体の右についている部品)に搭載の電気センサーを利用して、心拍心拍リズムを画面上に表示している
    • これらの波形はヘルスケアアプリで見ることができ、医師にPDFとして提出することも可能
  • iOSとwatchOSの最新版では、ECGサンプルの読み取りを利用できる

HKElectrocardiogramについて

  • 親Classである HKSample は電圧測定値のコレクション
  • HKElectrocardiogramは一連の電圧値波形を表す
    • Apple WatchでECGを撮ると、心房細動の記録がチェックされるう
    • 心房細動とは、不規則なリズムのことで、心臓の上室と下室のリズムが合わないことを表している
      • 医師の診断を受ける必要がある
    • 録画に成功するとApple Watchから録画結果が表示される
  • HKElectrocardiogram.Classification(分類)
    • 分類としては、心臓が一定のパターンで拍動していることを意味する洞調律(正常な脈拍)、心房細動となる可能性がある
    • 心拍数が低いか高いかによるものか、その他の理由か判断できない場合は結論が出ていないと判断される
  • HKElectrocardiogram.SymptomsStatus (症状のステータス)
    • ユーザがECGに症状を関連付けたかどうかを通知する
    • 経験したことのある症状をECGと共に記録することができる
  • 電圧測定値とは、ECGサンプルを構成する個々の電圧測定値を指します
    • 個々の測定値を取得するには、HKElectrocardiogramQueryを実行する
    • HealthKitクエリのいずれかを使用してECGサンプルをフェッチし、フェッチしたサンプルでHKElectrocardiogramQueryを初期化する
    • このクエリがhealth storeで実行されるとデータハンドラでECGの裏付けとなる個々の電圧測定値が得られる

class HKElectrocardiogram: HKSample {
  var classification: HKElectrocardiogram.Classification
  var symptomsStatus: HKElectrocardiogram.SymptomsStatus
  var averageHeartRate: HKQuantity? // 平均心拍数
  var samplingFrequency: HKQuantity? // サンプリング周波数
  var numberOfVoltageMeasurements: Int // 電圧測定値
}

ユーザの健康状態における重要な指標

  • 心電図情報
  • 移動性
    • ユーザの機能的な運動能力または、有酸素運動を行う能力を評価する指標
    • 呼吸器疾患や心臓の健康と強く結びついている
    • 歩行している期間全体で測定される

HealthKitに追加されたMobilityにおけるデータ

  • 歩行速度と歩幅
    • 歩行には強さ、体力、バランス、筋肉の協調運動が必要であるため、いずれかが変化すると歩行速度や歩幅に影響を与える
    • バランスと筋肉の協調運動は、歩行の非対称性と両脚支持率でキャプチャされる
  • 階段の昇降速度
    • 循環器系の健康、バランス、筋肉の協調運動の指標となる
  • 6分歩行試験距離は移動性の臨床検査として頻繁に行われている
    • 機動力があり、体力があるほど数値が高くなる
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